潰瘍性大腸炎の重症度
本記事は潰瘍性大腸炎の重症度についてです。
この記事でわかること
難病申請に関わる重症度について、病気の状態を把握するための重症度について
潰瘍性大腸炎の重症度には厚生労働省による活動期内視鏡所見による分類、Mattsの内視鏡スコアや、Mayo scoreなど数多くありますが、患者さんにとっては難病申請の基準、病勢の把握の基準の2つの基準が重要です。
難病申請のためには診断基準とともに、重症度分類を記載する箇所があります。
難病申請の重症度分類に関わる項目は
①排便回数(5回以上)
②顕血便(++以上)
③発熱(37.5℃以上)
④頻脈(90/分以上)
⑤貧血(Hb10g/dl以下)
⑥赤沈(30mm/h以上)
の6項目です。
潰瘍性大腸炎と診断されてもこの項目を満たさない場合は軽症と判定され、自治体ごとの差はありますが難病指定は認められないことが多いです。
自分が潰瘍性大腸炎となった際は①と②を満たしており、無事難病申請が認められました(高額医療や附加給付の上限よりも低いので助かりました)。
難病申請を取得する方法やメリットについては別の記事で説明します。
病勢の把握の基準はたくさんありますが、最近は粘膜を維持することが重要と言われているようです。
Mayo endoscopic subscore(MES)のMES0の基準は
正常または非活動性の所見。
粘膜の血管透見性が認められ、白色瘢痕を認める。
とされており、この状態を維持することが重要で、逆にこの状態が維持できないと再燃率が高いと言われています(MES1〜3は下記に記載)。
こればかりは症状だけでは判定できず、内視鏡検査が必要なので検査の際に自身の粘膜の状態がどのようなものか主治医に確認するといいかもしれません。
※MESの各段階の程度
MES1:軽症(発赤、血管透見性の減少、軽度脆弱)
MES2:中等症(著明に発赤、血管透見性の消失、脆弱、びらん)
MES3:重症(自然出血、潰瘍)
参考:
横山, 消化器内視鏡. 2020
難病情報センター